三尸(さんし)

天帝から命を受けて人体の三部位に棲息するとされている三尸。三尸それぞれが持つ この巻物には、その人間の悪事が細大漏らさず記入されていると言う。


平安時代、庚申の日には 徹夜をして起きていると言う慣習が行われていた。理由は、人間がこの世に生れ落ちた日から 胎内には三尸という悪い虫が棲み付き生涯身を離れず その人間を四六中監視し とりわけ庚申の日ごとに当人が眠っている間 天に登り 天帝にその人間の罪科を 洗いざらい 告げ口をすると 信じられていた。三尸説のオリジナルは、道教にある。


三尸の告げ口のせいで 人間は寿命を縮められると考えられてもいた。三尸の存在を信じたものは、庚申の夜だけは、決して寝ることをしなかった。これを庚申信仰と呼ぶ。

三尸は、下尸 中尸 上尸に分類される。 

下尸は、足を棲家とし精力を減退させ命を奪う。
中尸は、腸内に棲みつき 大食痛飲させ 五臓を損ない 悪夢の原因にもなる。
 
上尸は、人間の頭部に棲息し 眼を悪くさせ 顔を皺を促進させ 頭髪を白髪にさせる


三尸の害を免れるには、庚申の日に決して眠らず 身を慎み三尸の名前などの呪文を唱えて過ごすと 病気に罹らず 長生し 災禍に遭わず 幸福な人生を送ることが出来るのである。


庚申信仰 三尸駆除呪文

    • ホウコウシ、ホウジョウシ メイコシ シツニュウヨウメイイチュウ キョリガシン

▼どうしても眠りに落ちてしまいそうなら 眠る前には必ず この呪文唱えると良いとされている。

    • シヤムシハ、イネヤサリネヤ ワガトコヲ ネタレゾネヌゾ ネネドネタレルゾ


2006年 庚申の日
1月31日
4月1日
5月31日
7月30日
9月28日
11月27日