mminazuki2005-07-04


近代以前のヨーロッパでは、医術 医薬が魔術と深い関係を持っていた。これら聖なる「医薬」と対照的に「毒薬」の存在がある。特に黒魔術を操る魔女の作り出す薬は「毒」とみなされ ことさら恐れられた。アフリカの部族社会の呪術師たちやヴードゥー教司祭は 薬と毒を扱う技能を有し呪医や薬師といった職分を担う。原始宗教における聖職者は 人々を癒すとともに毒をもって災いをなしていた。これらの目的は 私利私欲のための利用ではなく禁忌、決め事を破るものたちへの制裁として発動する力となった。しかしキリスト教化が進むにつれ「治安維持」と称された毒薬は「悪魔の力の顕現」とみなされるようになる。