一切如来金剛最上秘密大教王経

mminazuki2005-06-19

タントリズム
曼荼羅製作 護摩 観想 飲食 歌舞 性ヨーガ 供犠 丸薬製造 施食
古代インド人の間で古くから伝わる 民間信仰 占術 巫術 祭式 儀礼 医学 薬学 天文学 錬金術などの化学、また日常の規範など包括する法律でもあった太古以来のインドタントラは、民衆の生活の基盤であった。タントラ教典に基づく大衆向けの解脱法「宇宙と自我の合一」すなわち梵我一如(ぼんがいちにょ)が解脱に導くとされていた。梵我一如は「シヴァ神」(男神)と「シャクテイ」(女神)の精神的・肉体的合一、神々の結婚に置き換えた思想である。インドには、古くシャクティズム(性力信仰)が在り神々や自然は女性の形によって具現化されるとの考えが根付いていた。


最高神シヴァは男神故 万能さに欠ける。そこで生まれたのが、神々を夫婦として祀る考え つまり男女一対の男性原理と女性原理の合致が完璧な姿になると考えシャクティズムをそのまま梵我一如思想と置き換えた。これらは解脱のための聖典学習と無心の瞑想の必要性を説いた従来の方法よりも 実践的で活動性あふれ解脱への道と考えられた。生肉を神に捧げ、祭りでは生け贅の動物の血を神像に振り掛け飲酒や肉食を認められた。また物事を生み出す象徴として女神崇拝が行われ それら瞑想の成功のため法具の一つにマンダラが使用された。タントラのこうした、神秘性・呪術性こそが一般民衆の心を魅了しヨーガですらも抑制性が取り払われ心身の活性化、超人的能力を獲得の方法とされた。こうした過程を経て、「タントリズム」としての儀礼や行法、宇宙観などが次々と体系化されていくのである。