他界観

【仏教】
日本での他界観は 仏教の六道輪廻が一般的である。転生を繰り返しながら現世を生き 来世もまた六道の世界のいずれかに生まれ変わるのである。生まれ変わる世界は 現世の所業によって決定される。輪廻の六道は 全て苦行の世であり呪縛からは、逃れられない。そこで仏教には、悪循環から逃れる方法 「解脱」を果たすよう教えられる。「解脱」は 善行と修行に励むことで資格を得ることが出来る。六道輪廻から脱したものは、涅槃(極楽)と云う上位の世界に達し二度と輪廻転生を繰り返すことはない。


人は死ぬと冥土への旅にでる。
7日を1サイクルとし7回の試練を与えられ 7日目ごとに閻魔大王の審査をが行われる。死んで49日目、因果応報により六道の何処の世界に行くかが決められるのである。

▼地獄界
この世界は 灼熱 極寒の二つに分かれる。
①八熱地獄 
②八寒地獄  
▼餓鬼界
生前 貪欲だった者、物惜しみをした者 人を妬んだものが送り込まれる
▼畜生界
身持ちの悪いもの 悪意をもつもの 貪欲から悪行を行ったもの 邪淫を犯したもの。
▼阿修羅界
本来 人間界に転生するはずのものが 自己過信し慢心したものが行く。戦いが絶え間なく続く世界である。
▼人間界
今 我々が生きている世界
▼天上界
歓喜歓楽で過ごすことが出来るが天上界でも死は襲ってくる。天上界で死期が近づくにつれ身体に5つの衰相が現れる。この苦しみは地獄の灼熱 極寒の16倍に相当するといわれている。


仏教での最終目標は輪廻からの解脱であり 煩悩のない世界への到達である。仏の治める浄土は 宇宙空間のあちこちにあり薬師如来浄瑠璃世界 釈迦の無勝世界  阿弥陀仏の極楽浄土など いっさいの悩みも拭い去られ文字通り楽しみの極まる場所だという。宮殿は 様々な宝石で飾られ金の砂が敷かれた池には、大きな蓮華が咲き誇り 常に柔らかい光に包まれている。池の大きな蓮華の上では 阿弥陀仏が座し その傍らでは観世音菩薩と勢至菩薩が見守る。心地のよい音楽が流れ 美しい鳥が妙なる声でさえずり曼荼羅華の花びらは黄金の地面に降り積もる。


キリスト教
人が死ぬと唯一絶対の人格神の審判にかけられる。善人は天国へ悪人は地獄へと落とされる。(カトリック教会では、地獄と天国の中間に俗人のための「煉獄」が設けられている。)天国の住人となったものは神のもとで永遠の至福を味わい続ける。
・天国
「都の城壁は 碧玉で築かれ 都は透き通ったガラス球のようナ純金であった。都の城壁の土台は あらゆる宝石で飾られてあった。」(ヨハネの黙示録21章 17−19)


「川は 都の大通りの中央に流れ その両岸には 命の木があって 年に12回実を結び毎月実をみのらせる。そしてその木の葉は民の病を治す。もはやのろわれるものは何一つない。」(ヨハネの黙示録22章 2-5)

・地獄
「臆病者 不信仰なもの 忌まわしいもの 人を殺すもの 淫らな行為をするもの 魔術を使うもの 偶像を拝むもの 全て嘘を言うもの このようなものたちに対する報いは 火と硫黄の燃える池である。(ヨハネの黙示録21章 8)


【エジプト】
人間が死ぬと肉体からバー(霊魂)が離脱され空中を飛翔。抜け殻となった自分を遺体を見下ろし葬儀の様子を一通り見終わると霊界へと赴く。死者は、霊界へ入る前にオシリスの審査を受ける。正義と真理の女神マアトトの支持に従い死者葬儀神アヌビスが心臓の重さを計量する。死者の心臓は、天秤の片方に載せられ もう片方には マアトトの羽毛が置かれ。釣り合いがとれれば この死者は霊界へと導かれるが心臓の方が軽い場合は 即座に心臓を奪われ地獄へと突き落とされるのだ。エジプトでの地獄は、凶神セトによって支配された悪臭漂う汚水と汚物の闇の中にある。一旦そこに落ちると凶霊たちが群がり死者の体液をすすり貪る。そして永遠に抜け出すことは出来ないのである。

天国は ラー神が築いた楽園で 平和の園と呼ばれる。純化した高級霊だけが入国を許される。宮殿は目も眩むばかりに金銀宝石が輝き 宮殿左手の大河の対岸に渡ると光の矢が踊り色彩が舞うまさに桃源郷なのである。現世の楽しみは 全て用意され快楽は尽きることがない。

エマニュエル・スウェデンボルグは生きながらにして霊界を旅してきた。

エマニュエル・スウェデンボルグの霊界〈1〉死後の世界は実在する

エマニュエル・スウェデンボルグの霊界〈1〉死後の世界は実在する

  • 作者: エマニュエルスウェデンボルグ,Emanuel Swedenbolg,今村光一
  • 出版社/メーカー: 中央アート出版社
  • 発売日: 2000/01
  • メディア: 単行本
  • クリック: 13回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る