オカルティストたちのシャンバラ (チベット)

オカルティストたちのシャンバラ (チベット

さてレーリッヒがチベットを探索しているその頃ナチス
第一次調査団をチベットに送り込んでいた。
20世紀初頭のオカルティストにとってチベットは神秘と魔術の国だった。


ハウス・ホーファー率いるヴリル協会は ドイツ人 日本人 インド人
トルコ人 セイロン人 チベット人と様々な国のメンバーで構成され
全員が悪魔崇拝者であった。
そしてヒトラーもまたヴリル協会の一員だった。
ヴリルのメンバーは 「陰の統領」はチベットに起源を持つと信じ 
協会の目的は、アトランティスの子孫アーリア人種の血に眠る
魔術の力を覚醒させる事にあった。
ヒトラーに拠れば 極近い未来進化したアーリア人は過去でも未来でも
自由に時間を移動できるようになる。すなわち人類の未来の運命を
覗く事が可能となるというのだ。更にヒトラーは続ける。
この過程で「キュプロスの目」が開眼すると時間の「秘密」の鍵が開き
肉体の目で見る容易さで世界を霊的に感知するようになる。


ヴリル協会の教えは正に「悪魔崇拝」であった。
人間は神の写し絵であり やがて力ある天使が立ち上がり 
「天使集団」に逆らうよう人間たちに解いて回る。
これらの集団は ルシファー(悪魔・サタン)と呼ばれ霊的レベルで
活動するようになる。彼らルシファーが 人間と神との臍の緒を
切断し人類の舵取りを行う。更にサタン王国の霊集団が
人類と「ハイレベルな意識」のコンタクトを断たせ 同時に
三次元の物質世界を唯一の現実と信じ込ませる。


ハウスホーファーナチスに 度々チベットへの調査団を派遣させ
チベットのシャンバラ修道士(シャンバラ崇拝)との接触を試みるが
シャンバラ修道士は 「フリーメーソン」を通じての活動を選ぶ。
ナチスに加担したのは、もっぱら「緑の男の会」と呼ばれる
アガルティ修道士(シャンバラの地下霊的支配者崇拝)の集団であった。
「緑の男の会」は 日本で百年続く「緑龍会」(ハウスフォーファー所属)と
深い関わりをもち透視と予知能力に長けヒトラーがドイツ指導者になる日付と
第二次世界大戦勃発の日付を予言し見事言い当てている。
この緑の男の会の正確な予言は ヒムラーとナチ党に影響を与える。
ヒトラーはベルリンにオカルトカレッジを開設。
"SS"親衛隊幹部は このカレッジで魔術課程を取るよう命ぜられる。
同時にヒムラーは ナチオカルト局を創設しドイツ支部にヴリル協会、
トゥーレ協会 アレイスター・クロウリーの魔術結社OTOを一つにまとめた。


こうして様々な団体が理想郷聖地シャンバラの存在を利用した。
チベット人がシャンバラを語るとき覚醒者の「完全人」5名が
世界の運命を統轄していると言う。
しかしシャンバラの「完全人」は 秘儀参入者を選択する。
1945年戦争は当然の結末を迎えることになる。ベルリン東部地域を
襲う猛火がようやく鎮火すると奇妙な光景が現れた。
それは ドイツ軍の軍服を着たチベット人の多くの遺体だった。
ロシア軍に降伏し恥辱を重ねるよりも自らの死を選んだのだろうか?
一方ハウスホーファーも また日本の「緑流会」の誓いに従い切腹した。
彼の墓には 十字架も墓石もない。

悪魔の申し子ハウスホーファーが死んだ後一つ奇妙な話が伝えられている。
ナチ党幹部数名がベルリンの廃墟から秘密の地下道を抜け
チベットのシャンバラやヨーロッパ各地 或いは遠く南米への逃亡に
成功しているというのだ。南米には 実際この地下通路の伝説が残されている。

ニコライ・レーリッヒ著書

『モリヤの庭の木の葉1・召命』  
『モリヤの庭の木の葉2・啓命』   
『新時代の共同体』   
『アジアの心』 (アグニ・ヨガ・シリーズ) 竜王文庫、    
『シャンバラの道』 ニコライ・レーリッヒ著 
澤西康夫訳 中央アート出版社、     
『アジアの奥地へ』 ユーリ・レーリッヒ(レーリッヒ夫妻の息子)著 
藤塚正道、鈴木美保子共訳 加藤九さく監修 連合出版



チベット創世記伝説

チベット人は”猿と羅刹女”、或いは”森の猿と岩の精女”の子孫である。
猿は 観世音菩薩の化身であり羅刹女とは、仏教でいう魔女をさす。

チベット史創世記によると、
猿は観音菩薩の化身で静かな祈りと
瞑想の生活を送ることに満足していた。
一方羅刹女は聖ターラーの化身で、一人さびしく生きていた。
羅刹女の悲しい声を聞いた猿は憐れみで胸がいっぱいになり、
羅刹女と結婚することにした。羅刹女は6人の子供を生み
この子供たちがチベット人の祖先となった。


古代チベットの宗教観とは、日本の神道と同様のアニミズムである。
世界各地の原始文化と同様に、チベットの人たちは
木や山、川、谷などすべてに神々が宿っていると考えた。
生命の源である水を運ぶ川が、突然大洪水で人の命を奪うように
神々にはありがたい面と恐ろしい面があった。
チベット人は神々が住んでいる峠や河のほとりに食物を供え
香をたき、石を積み神々たちを尊んだ。