プリニウス伯父さんのお薬作り三種。

mminazuki2006-08-26

プリニウスの頭痛の薬

頭痛の薬は、カタツムリの頭にある。まだ完成していないので 殻にはいっていないカタツムリの頭を切り取る。それからカタツムリからとった堅い石状の物質、(それは、小石ほどの大きさである。)も そうで これはお守りとして使用する。一方、小さいカタツムリは これを潰して頭に擦り付ける。また羊毛脂もある。ハゲタカの頭の骨をお守りとしてつけるか その脳に油と ヒマラヤスギの樹脂を加えたものを頭全体に擦り付け 鼻孔の奥の部分にその軟膏を塗りつける。カラスかフクロウの脳を煮て食べる。一昼夜餌をやらずに囲っておいたオンドリの首から抜き取って羽毛または トサカを 患者がその鶏と一緒に絶食していて 自分の頭のまわりに結びつける。イタチの灰を塗る。トビの巣から 小枝を一本抜き取って枕の下に置く。
(以下延々と続くので略)

    • どうもカタツムリとは、なめくじのことらしい


プリニウスの睫毛の薬

カラスの脳を食べると睫毛を生やし また羊毛脂および没薬を温めて搾り 針で塗っても同様だと言う。蝿とねずみの糞の灰を等量に混ぜ全体の目方が半デナリウスになるようにし アンチモニーを6分の2デナリウス加え 全部に羊毛脂を混ぜて塗っても 同じ結果が得られることは請け合いである。 あるいは小ねずみを潰して古いぶどう酒に入れ鎮静剤ほどの濃度にし用いても良い。 睫毛の具合の悪い毛を抜いたとき ハリネズミの胆汁 斑点の或るトカゲの卵の液の部分 サンショウウオの灰 緑のトカゲの胆汁に白ぶどう酒を加え それを銅の器に入れて天日に干し蜂蜜の濃度に濃縮したもの ツバメの子の灰をトウダイグサの乳香の汁およびカタツムリのぬるぬるに加えたものによってその再生を妨げる。

    • 具合の悪い睫毛というのは 逆さ睫毛のことらしい。
    • 6分の2とは、三分の一ではまづいのか?


プリニウスの顔の薬

顔のしみは、羊毛脂に一番辛いと考えられているコルシカのハチ蜜で取り除かれる。顔の皮屑はそれにバラ油を加え一片の羊毛に塗って貼る。バターを加える人もいる。しかし鱗癬があるなら イヌの灰をそのシミに塗るが まずそれを針で突いておかなければならない。青黒いシミや打ち身は、 子羊かひつじの肺を熱したのを切って薄片にして貼るか さもなければ ハトの糞をぬる。 顔の皮膚は ガチョウかメンドリの糞によって保護される。また疥癬には、ねずみの糞を酢に入れて塗るかハリネズミの灰を油に入れたものを塗る。そういう治療をするのは、まず顔をソーダと酢で蒸しておかねばならないという。またいろいろな顔の病気は、 どこにでもいる幅の広い小さなカタツムリを焼いた灰に ハチミツを加えたもので除かれる。実際すべてのカタツムリの灰は、大変洗浄力があるので 悪い体液を抜き 身体を温める。 だからそれは 腐食性の薬剤に配合し疥癬 らい腫 ソバカスなどに対する塗り薬として用いられる。


虫の薬効(民間療法)

    • 蜂の子(白い幼虫)には、蟻酸・アミノ酸などが含まれているので滋養強壮の役目を果たす。
    • 乳汁分泌不足の女性に 炒った蟻の巣を粉末か黒焼きにして内服させる。
    • ミミズは熱をさまし、風邪、咳などに効果がある。(成分;アデニン、リジン、)
    • ナメクジ、カタツムリには、グリコーゲン、消化酵素を豊富に含有している。
    • ナメクジのねばねばした液は唾液で、気管支や花粉症など鼻や喉の病気に効果がある。
    • 蝉の抜け殻は、砕いて粉末か煎じ皮膚炎、のどの痛み、咳などの際に用いる。