mminazuki2005-07-27

中世のキリスト教では、人間の暮らしを絶えず脅かす存在として悪魔を登場させている。そのために人々は、定期的に悪魔祓いを行わなければ成らなかった。悪魔は 人々に嫌悪感を起こさせるよう描かれており、悪魔の顔、足 手 胴体 頭などに動物の姿が認められるのは 其の時代、動物がしばしば生贄にされていた事実を反映している。人間は、わが身を襲った災厄を、様々な手段で他のものに転嫁しようとしてきた。転嫁する相手は 動物であったり植物であったり またあるときは人間であったりもした。多くの場合、転嫁された相手は 抹殺されるか社会から放逐される事となる。災厄の転嫁は、感染呪術であり 災厄の排除は 類感呪術によって行われる。古代ローマでは、毎年災厄を排除する儀式が行われたが同時に豊穣祈願の儀式でもあった。この二面性の儀式は、アステカ族の生贄にも通じる。アステカ族の儀式において神の化身として人間を捧げる事により 豊穣の神への祈りと災厄の影響をそらす二通りの願いが込められていた。
豊穣祈願